いじめ防止
ニセコ町立ニセコ中学校いじめ防止対策基本方針 令和5年6月改定
第1章 策定に当たって
1 はじめに
「いじめは,どこでも,だれにでも起こりうる」ということを基本的に認識し,生徒が楽しく,健やかに成長できる,安心・安全な学校づくりのために基本方針を策定します。
2 策定の目的
本方針は,いじめ防止対策推進法,ニセコ町いじめ防止基本方針に基づき,本校におけるいじめ防止対策や発生した場合の対処等のための対策を総合的かつ効果的に推進するために策定します。
3 公表と見直し
本校は,本方針を公表します。
また,国又は北海道,定める法令や条例,ニセコ町が定める「いじめ防止基本方針」等の改定や本方針に基づく対策の取組において,必要と認められるときは,本方針の見直しを検討します。
第2章 基本的な考え方
日常の教育活動において,「いじめを許さない,起こさない」という雰囲気を作り,また,姿勢を見せることで,生徒が安心して学校生活がおくれるものと考える。そのためには,全職員が,いじめはどの学校・どの学級でも起こりうるものという基本認識に立ち,すべての児童生徒を対象に,いじめに向かわせないための未然防止・早期発見・早期対応に取り組みます。
1 いじめの定義
「いじめ」を,「児童生徒に対して,当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係(学習塾やスポーツ少年団の活動なども含む)にある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって,当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの」
※インターネットを通じた誹謗中傷などは,本人が気づかず,心身の苦痛を感じていない場合でも,いじめと同様の定義とします。
また,発達障がいを含む障がいのある生徒に対して,上記基本的な考えに基づく適切な支援を進めます。
いじめを理解するに当たっては,次の点に留意します。
○いじめを受けた生徒の中には,「いじめを受けたことを認めたくない」,「保護者に心配かけたくない」などの理由で,いじめの事実を否定することが考えられることから,いじめに当たるか否かの判断は表面的・形式的に行うのではなく,いじめを受けた児童生徒や周辺の状況等を踏まえ,客観的に判断し,対応します。
○インターネットを通じたいじめなど,本人が気付いていない中で誹謗中傷が行われ,当該生徒が心身の苦痛を感じるに至っていない場合も,いじめと同様に対応します。
○生徒の善意に基づく行為であっても,意図せずに相手側の生徒に心身の苦痛を感じさせてしまい,いじめにつながる場合もあることや多くの生徒が被害生徒としてだけではなく,加害生徒としても巻き込まれることや被害,加害の関係が比較的短期間で入れ替わる事実を踏まえ,対応します。なお,軽い言葉で相手を傷つけたが,すぐに加害生徒が謝罪し教員の指導によらずして良好な関係を再び築くことができた場合等においては,「いじめ」という言葉を使わず指導するなど,柔軟な対応を行います。ただし,これらの場合であっても,いじめに該当するため,生徒指導委員会で情報共有して対応します。
○「けんか」や「ふざけ合い」であっても,見えない所で被害が発生している場合もあるため,背景にある事情の調査を行い,生徒の感じる被害性に着目し,いじめに該当するか否かを判断します。日頃からグループ内で行われているとして「けんか」や「ふざけ合い」を軽く考え,気付いていながら見逃してしまうことも少なく,ささいに見える行為でも,表には現れにくい心理的な被害を見逃さない姿勢で対応します。
○生徒が互いの違いを認め合い,支え合いながら,健やかに成長できる環境の形成を図る観点から,例えば,「発達障がいを含む障がいのある生徒」や「海外から帰国した生徒や外国人の生徒、国際結婚の保護者を持つなどの外国につながる生徒」,「性同一性障害や性的指向・性自認に係る生徒」,「東日本大震災により被災した生徒又は原子力発電所事故により避難している生徒(以下「被災児童生徒」という。)」等学校として特に配慮が必要な生徒については,日常的に,当該生徒の特性を踏まえた適切な支援を行うとともに,保護者との連携,周囲の生徒に対する必要な指導を組織的に行います。
また,いじめには,様々な形態があり,次のようなものがあります。
○冷やかしやからかい,悪口や脅し文句,嫌なことを言われる
○仲間はずれ,集団による無視をされる
○軽くぶつかられたり,遊ぶふりをして叩かれたり,蹴られたりする
○ひどくぶつかられたり,叩かれたり,蹴られたりする
○金品をたかられる
○金品を隠されたり,盗まれたり,壊されたり,捨てられたりする
○嫌なことや恥ずかしいこと,危険なことをされたり,させられたりする
○パソコンや携帯電話等で,誹謗中傷や嫌なことをされる 等
これらのいじめの中には,犯罪行為として取り扱われるべきと認められ,早期に警察に相談することや,生徒の生命,身体又は財産に重大な被害が生じるような,直ちに警察に通報することが必要なものが含まれます。明らかな犯罪や事故については,直ちに警察への通報により対処することとします。なお、警察への相談や通報については,教育的な配慮や被害生徒・保護者の意向を十分に配慮して対応します。
2 学校におけるいじめの未然防止・早期発見・早期解決のための組織
(1)「いじめ対策組織」の役割を生徒指導委員会が担います。
・生徒指導主事を主宰,教頭をアドバイザー・オブザーバーとし,他各学年生徒指導,養護教諭等からなる,委員会を設置し,定期的及び必要に応じて委員会を開催します。
(2)職員会議と生徒指導交流会
・職員会議や生徒指導交流会等において,いじめ問題を始め、生徒指導の現状等についての情報交換及び共通理解を図ります
(3)「いじめ対策組織」の活動をPDCAサイクルの観点で点検します。
P 目標設定と具体的な行動計画
D 基本方針に基づく取組の実施
C 客観的な指標を用いた点検
A 基本方針の見直し
■いじめ未然防止の取組
(1)学級経営の充実
・ソーシャルスキルトレーニングを実施したり,いじめ実態調査,いじめアンケート等を通して生徒の実態を十分に把握し,よりよい学級経営に努めます。
・生徒一人一人が成就感や充実感をもてる授業の実践に努めます。
(2)道徳教育・特別活動の充実
・道徳の授業を通して,生徒の自己肯定感を高めます。
・全ての教育活動において道徳教育を実践し,人を思いやる心を育てます。
・生徒会活動等においていじめに正面から向き合えるよう自主的な活動を推進します。
(3)相談体制の整備
・いじめ実態調査の考察と対応策(学級集団の背景,学級の成果と問題点,教師の観察と の共通点及び相違点など)を考え,職員全体で共通理解を図ります。
・いじめ実態調査の実施後,学級担任による教育相談を行い,生徒一人一人の理解に努めます。
・生徒と関わる時間を積極的に設け,教育相談の充実に努めます。
(4)インターネット等を通じて行われているいじめに対する対策
・全校児童のインターネット及び携帯電話,SNS等に関する使用状況調査を行い,現状把握に努めるとともに,生徒にモラル教育を行うなどして迅速に対応します。
(5)関係機関等との連携協力体制の整備
・町内各小中学校,町教委,警察等との情報交換を行うとともに研究団体等の協力を得て,効果的に校内で研修を行います。
■ いじめ早期発見のための取組
(1)保護者や地域,関係機関との連携
・生徒,保護者,学校の信頼関係を築き,円滑な連携を図るように努める。保護者からの相談には,家庭訪問や面談等により迅速かつ誠実な対応に努める。また,必要に応じて,教委、他校等の関係機関等と連携して課題解決に臨みます。
(2) いじめ実態調査の実施
・年2回いじめ実態調査を行い,ケースによって教育相談等を行います。
■ いじめに対する早期対応
(1)いじめに関する相談を受けた場合,速やかに管理職に報告し,事実の有無を確認します。
(2)いじめが発生したら,生徒指導委員会を開き,対応を協議します。
(3)いじめをやめさせ,その再発を防止するため,いじめを受けた生徒・保護者に対する支援と,いじめを行った生徒への指導とその保護者への助言を継続的に行います。
(4)いじめを受けた生徒が安心して教育を受けられるための措置を検討します。
(5)事実に係る情報を関係保護者と共有するための必要な措置を講じます。
(6)犯罪行為として取り扱うべきいじめについては,教育委員会及び警察等と連携して対処します。
3 いじめの解消の基準
その1 いじめに係わる行為が止んでいること
被害児童生徒に対する心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)が止んでいる状態が相当の期間継続していること。この相当の期間とは,少なくとも3か月を目安とする。ただし,いじめの被害の重大性等からさらに長期の期間が必要であると判断される場合は,この目安にかかわらず「生徒指導委員会」の判断により,より長期の期間を設定するものとする。教職員は,相当の期間が経過するまでは,被害・加害生徒の様子を含め状況を注視し,期間が経過した段階で判断を行う。行為が止んでいない場合は,改めて,相当の期間を設定して状況を注視します。
その2 被害児童生徒が心身の苦情を感じていないこと
いじめに係る行為が止んでいるかどうかを判断する時点において,被害児童生徒がいじめの行為により心身の苦痛を感じていないと認められること。被害児童生徒本人及びその保護者に対し,心身の苦痛を感じていないかどうかを面談等により確認します。
4 重大事態への対処
(1) 重大事態の定義
①いじめにより当該学校に在籍する児童生徒の生命,心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。
〇児童生徒が自殺を企図した場合(自殺を図った,自殺を図ろうとした場合)
〇身体に重大な傷害を負った場合
〇金品等に重大な被害を被った場合
〇精神性の疾患を発症した場合 などが考えられます。
②いじめにより当該学校に在籍する児童生徒が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。
〇相当な期間とは,年間30日を目安とします。ただし,児童生徒が一定期間,連続して欠席しているような場合には,上記目安にかかわらず,教育委員会又は学校の判断により,対処します。
(2) 重大事態への対処
・町教育委員会に速やかに報告します。
・町教育委員会と協議の上,当該事案に対処する組織を特設します。
・上記組織を中心として,事実関係を明確にするための調査を実施するとともに,関係諸機関と連携を図ります。
・上記調査結果については,いじめを受けた生徒や保護者に対し,事実関係その他の必要 な情報を適切に提供します。